Nikon D4
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
今月号のCAPAにニコンレンズ設計の佐藤氏のインタビュー記事が載っていた。
この方の設計したAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gは
ホントに撮るのが難しく、
人物のアップで開放では、D4無調整で10枚とっても1枚ピンが来るかどうかという代物だった。
ピンがずれていると言うより何処にもピンが来ないような、
ピント調整しても、前なのか後ろなのかどちらに調整しても合わせきれないレンズで、
人によっては怒り出す人や、売り飛ばしてしまう人まで出て、悪評は凄かった。
実際自分も非常に振り回され、
結局
・絞って撮る(2.8以上)
・枚数を撮る(枚数を撮れないもの、一発勝負の物には使わない)
・D5、D500を使う
などで対応した。
遠距離で撮る分には何ら問題はないどころか、別物のようにカッチリと写る。
自分は近距離の人物やモノが殆どだから、非常に手こずった。
でも手放さずに手元に置いたのは、
ピンが思う所に合えば、描写が非常に綺麗だったからだ。
じゃじゃ馬というのか、魔女というのか、小悪魔なのか知らないが、
とにかく決まればハッとするほど、
美しいピント面、その直ぐ周りから始まる美しいボケが、
余韻の様に少しづつ、少しづつ、なだらかに広がりながら静かに消えていく・・・。
これを味わってしまうと、どんなに失敗の山が築かれようと、またチャレンジしてしまうのだ。
インタビューの内容は主に AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDの話だったが、
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gについても少し触れられていた。
「開放の描写の特徴はf4あたりまで残すように設計している」と言う事で、
やはり
少し絞って確率を上げながら、
ボケの美しさと、
描写のカッチリ感を両立させて撮る方法は、
理にかなっていたんだなと思った。