本屋に行くと必ず目に付くところに平積みされているこの本は
長いこと横目で見るだけだったが、ついに注文してしまった。
敬愛する古田博司さんの書評(正論6月号)で感動的な文章を読んだせいもある。
…近代が終わり、これまでの一般論が通じなくなり右往左往している今日、新しい知の胎動が密かに起こっている。理系から文系の岡田英弘(歴史学)、時間論の大森壮蔵、中国政治経済論の川島博之。今回の新井紀子さんは文系から数理系に転じた人(一橋からイリノイ大数学科)この人は文章がとてもうまい。繊細で柔らかな文体だ。…この人が本当に立派な学者なのは…将来AI社会になればホワイトカラーは分断され企業は淘汰される…そのために読解力を身に付けることが急務で…最後の一言、「一緒に幸せな2030年を迎えましょう」という所で私は感動して泣いてしまった。
著者によれば、
・・・AIは既にMARCHに合格できる能力を持ち
AIにより将来仕事を失う人のうち
人間にしかできない知的労働者になれる能力を備えているのは
全体の20%に満たない可能性がある・・・。
そのたった20%未満の中に生き残るために何をすべきか
子供たちに何を奨めるべきかが書かれているようだ。
数学が苦手で文系志望にした息子にこの著者の話をしたら、
「一橋の数学は文系の中で(東大も含め)最も難しいんだよ。だから元々数学ができる人だよ」と言われてしまった。