Nikon D4S
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
今日の作例はクッキリ感を上げてみました。
70㎜の至近距離のほのかな描写を、分かりやすいシャープネスにしてみました。
レタッチで簡単にできます、と言っても実例が無いと分かりづらいでしょうから。
・ロウソクの入ったガラスの器のカット
すっきりした透明感にガラスの硬質な質感が素晴らしい。
新しいレンズの性能アップを感じる。
・1枚目観葉植物のポトスのカット
植物の生命力の、勢いと立体感が良く出ている。
・洋酒のカット
ボトルのハイライトにピントを合わせた。
ガラスの硬質な透明感と、ラベルの僅かにボケを含み広がる文字が、瓶の厚み感じさせ、前後に素直に拡大していくボケにより、窓際にボトルが起立する様子が良く感じられる。
・テーブル上の小鉢の多肉植物
多肉らしい葉の厚さと先端の硬さが分かる。テーブル上の美しく均質に拡大するボケ、さらに後ろの壁や棚に上品に広がるボケが、僅かな空間の中にも遠近感を感じさせ、主題の植物を際立たせている。
・赤金のカン
凹凸のある立体文字の質感や、お洒落な金属感が良く出ている。
・お酒とぐい吞み
2.8開放でも文句ないシャープネス。
揺るぎないピント面から滑らかに規則正しく拡大していくボケ。ボケながらも静かに、自身が何であるか表明しながら、存在を控え目に消していく。美しい。
一つだけ今回の撮影で感じた残念なところ。
テーブルの縁を見て欲しい。
直線が波打っている。
これはレンズに特有の歪曲で、樽型と糸巻型が混ざっているタイプだ。
これは普通のレタッチでは治らない。
実際フォトショップCCの当該レンズデータを入れてもちゃんと治らなかった。
普通ワイドは樽型、テレが糸巻型の場合が多く、
真ん中あたりは比較的歪曲を感じ無いが、
ここにズームの欠点が出てしまっている。
しかしこれはソフトで修正出来るはずの物だから、
ニコンはアドビにちゃんと修正できるデータを提供してほしいと思います。
ただ誤解のないように言っておくが、
24㎜の樽型は素直な歪曲なので綺麗に直る。
70㎜の糸巻型の歪曲も素直な形なので簡単に直せる。
間の42㎜で多分近距離だから、
ほかの描写が美しいが故に、
よけいに目立ってしまったのだと思う。