雲台の重要性-3 4way雲台erg 伝説の名器
4way雲台なんて聞いた事が無いかも知れないが実は在るのだ
3way雲台でなく4way雲台である必要性は縦位置にする時である。
3way雲台で縦位置にするとテルト(上下)方向に向きを変えるには
カメラを固定しているネジを緩める方法しかない。
不安定になりカメラの落下の危険も生じる。
緩めた状態でカメラ位置が変わってしまい、
何度もやり直さなければ狙ったフレームにならない。
これに対して4wayはその為の1wayが残っているから快適に素早くセットできる。
これが付いていている雲台が愛用するergだ。
ホースマン(駒村商会)で非常に強力な雲台を出し、
興味を持ち話を聞きに訪ねたことがある。
その後、富所氏と当時の製作者が、
新作を事務所に持ってこられ色々お話を伺った。
車のディスクブレーキとおなじ仕組みと聞き、とても興味を持った。
動きが的確で確実、他社製品の様にフニャフニャしなかった。
小型でとても気に入り購入を決めた。
緩めた時に何時までも粘るのが使いずらいと言うと、
すぐさま何かをオイルに差し、滑らかで素早い動きに変えてくれた。
好みのかたさ(粘り)に出来ると聞き驚いた。
その製作者の方は普段エンジンの試作等の仕事をされ、
趣味で写真を撮るとの話を聞いた。
やはりヨーロッパ(スイス)で風景写真を撮っている時、
余りに市販の雲台が酷くて撮影に成らず怒って棄ててこられたと言う。
自分自身とてもその気持ちがよく分かってうんうんとうなずいた覚えがある。
確かにエルグの雲台は高額だったが、締めたら絶対動かなかったし、
何より締める時に位置が全く変更されないのだ。
正確にフレームを決めたい時、これは絶対必要な雲台の性能である。
またパンをするベースの金属の角が手に当たって痛いと言ったら、
斜め45度にざっくり削るという加工も引き受けてくれ、
後に綺麗に仕上げて送って頂いた。
10年ほど使った頃可動部のオイルが経年劣化したようで、
整備に出したことがあるが、新品のようになって今も無くてはならない雲台である。
その後製作者が亡くなり、富所氏も亡くなったと聞いて、
エルグが消えてしまって非常に残念に思っていたが、
今回再開した様なので、是非一度最高の雲台を確かめる機会を持ってほしい。
超広角レンズで正確にフレーミングする必要のある時は必携である。
(問合せ先 プロスパイン)
Nikon D3
SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL/ HSM