天界入路

人の心が少し温かくなって、 気持ちがちょっと優しくなる様な写真を載せていきます。 写真による小さな感動、しみじみとした気持ちを目指して行きたいです。 その為の撮影機材の話や、撮り方などの大事なコツをコンパクトに、作品としての解説などもを交えて書いていきます。

ホストファミリーの家

Canon EOS 20D 17-35mm (レンズExif不明) 早速連絡が来て、是非ホストファミリーになってほしいと言ってきた。 やはり受け入れる家庭が少ないようだ。 日本人は、家が立派でないと恥ずかしいとか、 不自由な思いをさせて申し訳ないとか思ってしまうが、 海外の人は家に招いてくれることはおもてなしだから、 狭いとか立派な家で無いとかはあまり問題ではない。 むしろ断ることはそこまで親しくはない、 或いは親しく成りたくないと思われてしまうようだ。 以前、アメリカで働いていたK氏の案内で、 シアトル郊外に取材に行った時の話だが、 エベレットという小さな町のホテルに泊まっていたら、 K氏の元同僚がホテルにやってきて、 「こんな所に泊っていたら勿体ないから自分の家に来い」と言われた。 K氏から聞いていた、 ジョージ・ルーカスをより物静かで知的な感じにしたこの元同僚は、 スタンフォード研究所出身で、かなりの年収の方で本も出しているという。 我々数人はどんな豪邸に泊まれるのかなと喜んで行ったら、 6畳ほどのまるでアパートの様な広さの家だった。 アメリカにもこんな小さな家があるのかという代物だった。 聞けば奥さんと別れたばかりで、財産がほとんど無くなったという。 しかし落ち込んでる風もなく、旧友と再会した喜びで話が続く。 その日自分は余り清潔でない寝袋を与えられ、 玄関のたたきのすぐ横で、 靴の匂いと、トイレに出入りする人達に時々起こされながら、 友人とその連れを自分の住処に招いて泊めた満足感、しかない感性を、 日本人として噛み締めながらまんじりと寝た。 多分日本人のどんな家でも失礼になる家は無いのではないか。