天界入路

人の心が少し温かくなって、 気持ちがちょっと優しくなる様な写真を載せていきます。 写真による小さな感動、しみじみとした気持ちを目指して行きたいです。 その為の撮影機材の話や、撮り方などの大事なコツをコンパクトに、作品としての解説などもを交えて書いていきます。

映画「生きる」を観る

Nikon D3 TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD  夏休みの息子の課題は、 国語の先生たちが選んだ映画100選のいくつかを観て、 感想文を書くということらしい。 その中で息子は黒沢作品の「生きる」を選んで借りて来た。 有名な志村喬がブランコに乗るポスターは何度か見ていたが、 実際映画を見たのは皆初めてだった。 公務員仕事に埋没する主人公の市役所課長が癌になり、 余命半年か1年と気付いてからの話という有りがちな設定だが、 俳優の存在感、監督の力量、脚本の上手さで珠玉の作品になっている。 全然古さを感じさせない。 この当時からお役所仕事が横行していたこと、 公務員の縄張り争い、上下関係、セクショナリズム、 責任のなすり合い。手柄の横取り。 天下り先の確保こそ出てこなかったが、 今の加計問題の文科省、獣医学会、族議員の暗躍と変わらなくて驚いた。 映画の方はヒューマニズムを描いているが、人の業の深さも描いている所が一級品。 息子が「たっぷり泣いた」と言ったことが驚き。