乗馬している男にナースの一人が「一緒に・・」と声をかけると、「乗って!」と誘われ恥ずかしがりつつ跨いでしまった訳だが、仮装というかコスプレによる非日常のせいか少し大胆になり、躊躇しつつも乗ってしまう。
元々繁華街で路上だからこれ以上の悪乗りをする訳ではないし、特別に仲良くなる訳でもない。「面白かった」で終わっている。
最初ここで起きていることが良く分からず写真が撮れなかった。
スマホで撮ったり撮られたりの関係性が独特で、自分が仰々しく一眼に2.8ズームを付けて、ハロウィーンしてない部外者にしか思えず、なかなか中に入り込めなかった。
撮り始めるまでに1、2時間かかったように思う。
自分の写真の方向性と、ここに集まって来ている人たちの方向性に接点がなく、ただ歩き回っていた。
きっかけは「写真撮ってください」と声をかけられた時だった。
スマホを渡され笑顔を見せられたら垣根が崩れた。
「俺も撮りたい!」