土門拳さんの子供写真がまとめられて発売されました
土門拳さんは古寺巡礼など仏像やお寺の写真が有名ですが
人物の とりわけ子供写真が素晴らしいことは
あまり知られていません
早速注文して今日届きました
帯にはたけし(北野武)の
土門さんの写真には、ガキのころの俺がいるね。
帯の背には
笑い声が聞こえる
貧しかったけど「遊び」だけはあった時代。
著名な写真や素晴らしい写真がいくつもあり
有名な筑豊のこどもたちの写真もありました
発売当時僅か100円で ざら紙のペナペナな冊子でした
12000円の値が付いていて
とても手に入れることはできませんでした
岸哲男氏の評論も たけしのエッセイも読みごたえがあり
お薦めです
カバーに使われている写真に
一番土門さんの心が出ていると思いました
ライカを持ち 撮影を一服して
タバコを吸っているところを撮られている写真です
いつも撮影に没頭する
土門さんらしい
オッかない顔をしています
しかしその隣には 子供が高価なカメラを持ち ファインダーを覗いています
当時カメラはかなり高価で カメラのない家も多かったはず
カメラに興味津々な子供の気持ちを受け入れ
カメラを渡し 自分は隣でタバコを吸っている 目線も外しています・・
これはなかなか出来ることではありません
私なんか 触らせても絶対手は放しません
覗かせても 渡すことはあり得ません
土門さんは
子供たちを信頼し 同じ目線で交流しています
もっと言えば
一緒に遊んで友達になっています
この表紙を見てから
写真集の中の写真を見ると
傑作の撮れた理由の一端が分かります 納得できます
木村伊兵衛さんも
カルチェ・ブレッソンも
こういう撮り方はしませんでした
お二方とも とても上手いですが 観察者であって
被写体と一緒に遊ぶわけではありません
木村伊兵衛さんも
カルチェ・ブレッソンも
大好きな写真家ですが
年齢とともに
土門さんの子供写真の方に シンパシーを感じます
大写真家のお話の後でお恥ずかしいですが
私も子供が大好きですから・・ 飽きずに撮っています